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前之園授業:フランス詩

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 今学期のフランス詩の授業はオンデマンドで行っています。  先日配信した解説動画は特に履修生から多くの反響があったので、ここに紹介させてもらいます。  題材はジャック・プレヴェール(1900-1977)という詩人の「庭園」という詩篇です。以下に拙訳を示しますが、原文でしか伝わらない箇所がたくさんあることが分かると思います。 「庭園」   ジャック・プレヴェール 何千年、何万年あっても 時間が足りなくなって 言い尽くすことはできないだろう あの永遠のささやかな一瞬を きみはぼくにキスをした ぼくはきみにキスをした 冬の光に包まれたある朝 パリのモンスーリ公園で パリは 地上にあって 一個の天体である地球の上にある        

前之園ゼミ:原典講読

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 ある時代に特有な社会的傾向を表す目印を 、アンドレ・ブルトンは「時の黄金」や「時代の徴候」と呼んでいます。そしてこれはおそらくは、彼が40年代に提唱する「新しい神話」へとつながる視点です。  今期のゼミでは「社会記号」や「インサイト」といったマーケティング用語を補助線として、ブルトンのまなざしで現代社会をとらえ直す試みを行っています。  ゼミの一部として、ブルトンがこれらの内容について語っている文章をフランス語で読む「原典講読」の動画を、先週・今週の2回に分けて配信しました。  ブルトンの文章のように、ひとつの文が長く構文が複雑な場合、日本語を経由せずに原文を直接読んだ方が、理解しやすいことがあります。ブルトンが文字に残した「生の声」を聞いてみませんか?