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前之園ゼミ:2023年度ゼミの内容

  前之園 望 教員のゼミ紹介です。 授業内容:   2023 年度はアンドレ・ブルトンの代表作『ナジャ』を熟読します。『ナジャ』は小説ではなく、実話に基づいた作品で、舞台は現実のパリ。ヒロインのナジャも実在する人物です。全体を通して読むと、唖然とするような構成になっていますので、気になる方は、さっそく今から読み始めて下さい。教室ではグループディスカッションと発表が中心になります。謎の多い作品ですので、読んだ内容を忘れないうちにお互いにアウトプットして、毎回頭の整理をしましょう。 その一方で、学術論文の探し方・読みかた・書き方、パワーポイントによる資料(動画)作成方法の基本も紹介します。皆さんには、その知識を使って、任意のフランス文学作品の研究論文を紹介する「論文紹介動画」、フランス文学作品の楽しみ方を紹介する「フランス文学作品紹介動画」を作成してもらう予定です。 < ネタ集め > として、今のうちからフランス文学作品を読んでおいてください。また、夏休みに日本国内でできるフランス文化(につながるような)体験をしてもらい、後期に「フランス文化体験報告」をしてもらう予定です。成績は、授業への参加度とレポート内容に基づいて評価を行います。( ゼミへの参加度が低い場合は、単位は出せません。 ) 上記内容に関連する記事を語文コースブログに公開していますのでご覧ください。 ・「 前之園ゼミ:ゼミガイダンスに向けて 」( 2022 年 10 月 18 日) ・「 前之園ゼミ:フランス文化体験報告 」( 2022 年 10 月 28 日) ・「 前之園ゼミ:ゼミガイダンスに向けて② 」( 2022 年 11 月 6 日)   本ゼミは以下のような方を歓迎します。ディスカッションなどのグループワークに積極的に参加できる方。じっくりと考えることが好きな方。好奇心旺盛な方。どんなことでも自分なりに楽しむ方法を見つけられる方。知らなかったことを知るのが好きな方。 反対に、以下のような方には本ゼミをお勧めしません。グループワークに参加することが面倒な方。コスパ重視で単位だけが欲しい方。過程ではなく結論だけを教えて欲しい方。すぐに役立つことだけが知りたい方。上記授業内容に全く興味が持てない方。   主な指導分野:  私の専門はアンドレ

田口ゼミ:2023年度ゼミの内容

  田口 卓臣 教員のゼミ紹介です。 授業内容 :  ★教員の与える知識や解答ではなく、考え方、読み方、議論や発表の仕方、論文の書き方について、ゼミ生同士の主体的な協力作業を通じて、学んでみたいという人は、田口ゼミに来てください★ 私のゼミでは毎年、一つのテーマを設定し、フランスの文学や思想、映画、マンガ、音楽、社会問題などを考察しています。これまで扱ったテーマは、「利己と利他」、「幸福」、「人間関係、世間、空気」、「「私」とは何か?」です。 2023 年度のテーマは、「心と身体」です。  授業は「1グループ= 4 ~5名」のグループに分かれ、ディスカッションを中心に進めます。毎回、皆さんが事前の準備をすることが不可欠となります。自分たちで資料を調べ、役割分担やスケジュールを決め、数回分のグループ発表(全員参加)をこなしてもらいます。つまり、ゼミ生同士の積極的なやりとり、リサーチ、調整などが欠かせません。教員の課題を解くだけの人、他人と協力するのが苦手な人は、このゼミには向きません。現在、ゼミには、 4 年生 14 人、 3 年生 14 人が所属していますが、「様々な考えの人と話しあえて楽しい」「グループワークが就活に役立った」という感想を寄せてくれます。  私のゼミで「卒業論文」( 4 年次)を選択する人は、フランスに関わることならどんなテーマを選んでも構いません。ただし、必ず、複数回、ゼミ生全員の前で中間発表をしてもらいます。この発表はゼミ生全員にとって、重要な勉強の場です。発表の準備は決して楽ではありませんが、「これが知りたい! このテーマをみんなと話してみたい!」という意欲さえあれば、楽しく過ごせるでしょう。  私のゼミで「卒業課題研究」( 4 年次)を選択する人は、各年度に扱うテーマに基づいて書いてもらいます。例えば、 2023 年度に卒業課題研究に取り組むゼミ生(現 3 年次)は、「心と身体」について執筆することになります。 2024 年度以降のゼミ・テーマは決めていませんが、前年度に扱ったことと連続性のあるテーマを設定するつもりです。なお、卒論か卒業課題研究かにかかわらず、「翻訳」の提出は一切受け付けません。  私の専門は、 17 ~ 18 世紀フランスの思想と文学です。この時代は、傑出した「古典」の時代であり、現代文化の基

フェリエゼミ:2023年度ゼミの内容

   ミカエル・フェリエ 教員のゼミ紹介です。 テーマ: Langue ,  littérature   et   politique   chez   les   écrivains   d’expression   française   1)  授業概要・内容  :   il s’agit d’étudier dans ce cours des écrivains d’expression française   d’Europe, d’Afrique, des Caraïbes et de l’Océan indien. Pour chacune de ces zones   géographiques ,  nous   lirons   des   extraits   de   textes   (écrivains   du   XXe   siècle   et   contemporains),    en portant notre attention sur leur extraordinaire fécondité linguistique, leurs ressources   poétiques   et   politiques, et   les   enjeux   dont   ils   sont   porteurs   pour   l’écriture   et   pour   la   pensée   en   ce   début de   XXIe siècle.   2) 作家  :  Amadou   HAMPATEBA   (Mali) Aimé   CESAIRE   (Martinique) Edouard  GLISSANT et Patrick CHAMOISEAU (Martinique) Kateb YACINE (Algérie) Abdelkebir   KHATIBI (Maroc) Agota KRISTOF (Hongrie) Emil CIORAN (Roumanie) Antonine   MAILLET   (Canada) Axel   GAUVIN   (La   Réunion) Le   cours   fera   aussi   référence ,  dans

小野ゼミ:2023年度ゼミの内容

  小野 潮 教員のゼミ紹介です 授業内容 スタンダールはバルザックとともに十九世紀前半のフランス文学を代表する小説家です。 もっとも、彼が生前に刊行したある程度の長さをもつ小説作品は『アルマンス』、『赤と黒』、『パルムの僧院』の三作に留まっています。このうち『アルマンス』を除く二作品が、死後数十年が経過した後、十九世紀の末頃になって、彼をこの時代の代表的小説家として認識させました。とくに『赤と黒』は、個人と社会の葛藤というヨーロッパ近代の社会状況をよく表現した作品として評価されてきました。  本授業ではこの『赤と黒』 Le Rouge et le Noir を、原文の抜粋と、幸いいくつか文庫本でも出ている翻訳を用いて講読していきます。原文講読で、フランス語の小説をフランス語で読むという体験をすると同時に、翻訳を用いて、登場人物の描き方、同時代の社会の表象の仕方、ナポレオンの形象、小説技法といったさまざまの観点からスタンダールの小説世界を探索していきたいと思います。  また同時に、スタンダールが書いた他の小説作品、また他の文学ジャンルに属する作品(彼は自伝的作品、旅行記、伝記なども残しており、彼の全集に占める割合ではそちらの作品群のほうが多くなっています)と小説作品の関係などについても見ていきます。  授業はおおよそ次の3つの要素から構成されます。 1:フランス語を読む際の注意点の開設。    フランス語の長い文を読む際には、とりわけ注意しておかなければならない点がい くつかあります。それは複数の、そしてとてもよく使われる用法を持つ語について、その複数の用法をどのように区別していくかということです。これについて、重要な点を順次取り上げて、解説を加えていきます。 2:フランス語テキスト原文抜粋講読    白水社から出版されている『対訳 フランス語で読む《赤と黒》をテキストとして用います。1で説明する読解のポイントを具体的にテキスト上で見ていくとともに、翻訳ではなかなか見えてこない原文ならでの味わいの発見を目指します。なお使用するテキストにはフェリエさんによる朗読の CD が付いていますので、これを十分に活用して、自分でテキストをきちんと音読できるようになることを目指してください。 3:日本語訳を用いて、作品構造の検討

斉木ゼミ:2023年度のゼミ内容

  斉木 眞一 教員のゼミ紹介です 授業内容 :      テーマは食を手掛かりに小説と映画を読み解くことです。人間にとって極めて身近な食べるという行為については、それを中心にして広大な文化が形成されていますが、とりわけフランスではその傾向に顕著なものがあります。フランス文化の隅々にまで波及しており、専門演習ではすでに長い間このテーマを掲げていますが、毎年いろいろなことがわかってきて、なかなかやめられません。ゼミという場で大勢の知恵が出され、それがまた新たな発想のきっかけになるという連鎖のおかげです。 授業では一年交代で小説か映画を取り上げ、そこに描かれた食事風景や食べ物・飲み物の話題などをめ ぐって、作品の分析と解釈をしていきます。ひとつの作品にはさまざまな事象が互いに関連しながら渾然 一体となって描き込まれているわけですから、食を入口としながらも多くのことを考える契機となるでしょう。つまり食文化そのものの研究にとどまらず、そこから発展してフランスの文化や文学を総合的に学 んでいこうというわけです。 来年度は映画の年です。次の二作品を予定しています。 ・前期:『クロワッサンで朝食を』 Une Estonienne à Paris                       働くためパリにやってきた外国人が、葛藤や行き違いの数々を経て、いかにして文化に馴染んでいくかを描いています。朝食のスタイルが象徴的な意味合いを帯びているのですが、関連して恋愛や宗教のあり方、さらには衣食住全般にわたる興味深い細部が、さりげなく登場してきます。 ・後期:『アメリ』 Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain 以前にも取り上げたことがあるのですが、フランス食文化の宝庫のような映画であるだけに、時間が足りず悔いが残っています。そこで再挑戦することにしました(最後の年でもあるので)。作品の核心にせまるという観点から、優先順位をつけて臨みたいと考えています。 授業は主に個人あるいは 3 人前後のグループによる口頭発表をもとに進めていきます。教材に沿った課題の詳細を各学期の初めに提示しますので、それにしたがって準備して教室で発表、という段取りです。課題としては、卒業論文・卒業課題研究への第一歩となるよう、作品研究の具体的な手順が