前之園授業:フランス詩

今年度のフランス詩の授業は、通常はオンデマンド形式でおこなっているのですが

 先日、久しぶりにリアルタイムのオンライン授業を行いました。

 せっかくのリアルタイム授業なので、オンデマンドではできないことをしたい!

ということでおこなったのが「ヴァリアント・ゲーム」です。

と言っても、今回初挑戦のオリジナルゲームなので誰も知らないゲームです(笑)。

出題者は文法上可能な範囲で詩句の一部を入れ替えて音読し

聞いている側は変更箇所をあてるというゲームです。

文字を見ながら音読を聞くのだから簡単にわかるだろうと思っていたらこれが案外難しい。

予想以上に盛り上がり、気づけば予定の時間を大幅に過ぎていました。

 

あわてて次の企画、「定義ゲーム」です。

1930年前後にシュルレアリスム(ご存じですか?)内部で実践されていた言語ゲームです。

シュルレアリストたちはフランス語でおこなっていましたが、今回は日本語で。

通常では接近させられることのない、意外な組み合わせの定義文が誕生します。

今回も様々な定義が誕生しましたが、その中でも特に出席者に人気があったのが

「 痛みとは何か。それは愛し合うということである。」でした。

 私が個人的に好きだったのは次の定義です。

「りんごとはなにか。それは人生の分岐点である。」

私はすぐに白雪姫を思い出したのですが

出席者のおひとりが『旧約聖書』の「創世記」に登場するリンゴにからめた解釈をしていて

それは確かに大きな分岐点だ、と納得しました。

このゲーム、ただ遊んでいるように見えて、実は「隠喩」を解釈する練習となっています。

 

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