フランス詩:学生の声


 こんにちは、前之園です。2022年度にフランス詩を履修していた学生に「ブログに使わせてもらうかもしれません」とアナウンスして、授業の感想を書いてもらいました。以下にいくつかご紹介します。フランス詩の授業は半期ずつの授業なのですが、今年度は前期・後期の両方とも履修する方がほとんどでした。(もちろん後期からの履修も可能です。)


 「文章を読んで先生の解説を聞き、想像を広げて自分なりに解釈をする」というのが詩を理解する方法だと思っていたので、「ヴァリアントゲーム」を通じてフランス語文法や語の性・数、発音した際の語感、語の印象や連想するものまで考えを巡らせて1つの詩と向き合い、言葉遊びを楽しむままに学ぶことができました。毎回の授業でチームのメンバーと詩の印象を話し合うと、同じ詩でも正反対の意見が飛び出してきて驚かされ、理由を聞くと納得できる、といったことも多々あり、充実した意見交換ができました。また、チームごとにヴァリアントゲームの方向性が異なり、変えたところをとことんわからなくするグループがあれば変化させた部分の意味を重要視するグループもあり、それぞれのグループの録音を聞いていても面白かったです。半期を通して1人の詩が複数取り上げられるので、詩人の感性や考え方・ものの見方を知ることができたことも興味深かったです。詩人によって重要視している五感が違う様子など、実際に詩を読むことで体感できました。小説と違って短いため読みやすく感じられるのに、動詞の活用や単数・複数の細かな違いからどこまでも解釈を掘り下げてゆける、詩の持つ奥深さを学びました。(2年生Sさん)


 一年間の授業を通して自分では気づくことのできない部分などいろんな発見をすることが出来ました。フランス語の音読は苦手でしたが、この授業で多くフランス語に触れることが出来たので良かったです。(3年生Aさん)


 この1年間の授業を通じて、他の授業ではあまり体験し得ないフランス語の音を楽しむという経験ができました。発音は難しいことも多かったですが、ヴァリアントゲームで自分の録音を聴く機会があったり、毎授業取り扱っている詩を音読したりできたので、楽しみながら音について学べました。

 また、一人の詩人について半期やることで、作品の傾向から人柄や背景を考えたりと、文学的な楽しみ方もすることができました。(2年生Hさん)


 1年間を通して詩を一つ読み、ヴァリアントゲームをするという流れで授業が進んでいきました。詩の内容はフランス語であることや今まで慣れ親しんできた日本の詩とは異なることがある点で、一度読んだだけでは理解を深め考察することは難しいのですが、詩を読んだ後に他の受講者と話し合い、小テストの問題を作るので自発的に詩について向き合うことができました。また、ヴァリアントゲームでは、詩の構成や内容からフランス語の文法の知識も問われるため自然と実力が着くように思いました。初めの頃はフランス語の文法的に正しいかどうかでヴァリアントを考えていましたが、徐々に詩の内容や作者の意図に気を配りながら自身の解釈を含んだヴァリアントが考えられるようになっていったと思います。今まで詩を読んだ経験があまりなくても授業を半期受けた後には、自分から詩と向き合えるようになっていたと思いました。(2年生Tさん)


 僕は詩の原文の一部を入れ替えるヴァリアントゲームやテスト問題の作成をグループで協力して行う所がこの授業の良い点だと考えました。

 なぜなら、グループ活動を通して学習者の文法知識の理解を深めることができると考えられるからです。

 僕はヴァリアントゲームをする上で特に重要なのは文法知識の理解であると思っています。

 文法知識の理解がなければ、原文の一部を変更するときに他の単語の冠詞などを変える必要があるかどうか判断できないからです。

 テスト問題の作成も同じように作成する際には文法事項を正しく理解していなければいけないと僕は思います。

 僕はこれらの活動が単独で行われる場合、学習者は文法の知識を誤って理解したままテスト問題の作成やヴァリアントゲームを行ってしまう可能性があると考えられます。

 しかし、グループでの活動であれば他の人は自分が文法事項を誤って理解していることを指摘することができます。

 さらに、文法事項に関して分からないところがあれば、互いに教え合うことができます。

 お互いに文法事項を確認しながら、ヴァリアントゲームなどを行うのは、文法を誤って理解することや自分の文法知識の理解を深める機会を設けることができると僕は考えます。

 以上のことから文法知識の理解が重要だと考えられるテスト問題の作成やヴァリアントゲームをグループ活動で行う所がこの授業の良いところであると僕は考えます。(2年生Mさん)


(画像は季節の野草キュウリグサです。地面すれすれの高さに米粒ほどの小さな青い花をさかせます。)


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