前之園ゼミ:本を読む時間

 こんにちは、前之園です。みなさんは本を読むのは好きですか? 「好きなんだけど、なかなか本を読む時間がとれなくて…」そういう方も多いと思います(かく言う私も同じです)。

 だったら、本を読む時間をプレゼントしてしまおう! という企画を思いつきました。それが「ゼミ読書会」です。

 「読書会」というと、一般的には「同じ本を読んできた人たちが意見の交換をする会」だと思いますが、「ゼミ読書会」は「本を読む時間のない人たち」を想定している点が大きな違いです。

 私の研究室から私物のフランス文学作品(小説・詩集・戯曲の、今回は文庫本のみにしました)を教室に大量に持ち込み、机に並べて、これから読む本をその場で選んでもらいました。(写真の奥の段ボール箱いっぱいに持ってきたので、かなり重い…。)そして、20分間、各人で選んだ本を読み、自分の読んだ本の紹介と読んだ感想を交換し合う、というシンプルな企画です。



 ただし、読むと決めた本は20分の間は交換禁止としました。そのため、みんな真剣に本を選んでいました。

 また、20分の間は読書以外の行為を禁じる(スマホ含む)というルールも設けました。せっかくなので読書に集中して欲しかったからです。

 20分なんて短い時間の読書に、なんの意味があるの? と思う方もいるかもしれませんが、絶対に作品を通読できない制限時間を設けることで、かえってリラックスして作品とつきあえたようです。「速読術」にありがちな「情報収集のための読書」は成立しないため、ゆっくりと自分のペースで読むしかないからです。ページをめくる音しか聞こえないような静かな教室には、効率化とは無縁の深い時間が流れていました。

 読書会後のアンケートに「またやりたい」「名前だけしかしらなかった文学作品を読めて嬉しい」といった声があり、今後も機会を見てまた行いたいと思います。


 

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