フランス詩:ポエム=オブジェとの付き合い方

 こんにちは、前之園です。ブルトンは1934年以降、「ポエム=オブジェ」と呼ばれる作品を作るようになります。蚤の市などで見つけた小さな日用品を張り付けた平面上に詩句を配列するという、「詩なの? オブジェなの?」という作品です。

 今回、フランス詩の授業で、最も有名といってよいポエム=オブジェ作品の解説を行いました。ブルトンはポエム=オブジェ作品に原則としてタイトルを付けないので、この作品も無題なのですが、作品内の石膏の卵の表面に記入された「私は見る、私は想像する」という言葉がタイトル替わりによく知られています。


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ポエム=オブジェ解説授業動画


 この作品をどう楽しめばよいのか、ひとつの可能性として分かりやすい(?)解釈を授業で示したところ、「あまりにきれいに説明がつきすぎて、読み方が一元化されるのが気に入らない」という感想が出ました。自分の想像力を働かせる余地がない(ように感じた)ことにストレスを感じたのだと思います。(実際には時間的制約から説明していないこともあって、つっこみどころはいろいろとあります。)その後のグループディスカッションで「別の読み方はできないか」と盛り上がっているのを見て、非常にたのもしく思いました。

 あなたも、自分だけの読み方を見つけてみませんか?



おまけ

 ポエム=オブジェに興味を持たれた方は、以下の拙論をご参照ください。

アイスランドスパーの詩学―アンドレ・ブルトンの連作ポエム= オブジェ―

潜在的現実の現働化:アンドレ・ブルトンにおけるポエム = オブジェの詩学





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