学谷ゼミ:2024年度のゼミ内容

 2024年度より、翻訳を提出しても「卒業論文」(8単位)としては認められません!  

 

学谷 亮(がくたに・りょう)

授業内容:

 このゼミでは、フランス近代詩、とりわけ「象徴主義」の詩人たちの作品を読んでいきます。2024年度は、韻文詩を中心に取り上げます。フランス文学のなかでも、詩は何となくとっつきにくく感じている人が多いかもしれません。しかし、フランス語をしっかり学んだ皆さんにこそ、詩に親しんでもらいたいと思っています。小説や戯曲と違い、詩はストーリー性が希薄ですが、それだけに単語一つ一つにきわめて大きな負荷がかかります。それに加えて、音節数や脚韻といった音声上の工夫も凝らされています。そのため、フランス詩はフランス語で読んでこそ真の理解に達するのであり、日本語訳で読むのとは体験としての質が決定的に異なるのです。

 前期は、皆さんが詩を原文で分析・解釈できるようになるための手ほどきを行います。韻律の規則や辞書の使い方、注釈書や参考文献の調べ方など、習得すべき知識・技術は多くありますが、ワークショップ形式によってできるだけ楽しみながら身につけてもらえるようにしたいと思います。もちろん、これらは詩以外のジャンルについて研究する上でも役立つでしょう。後期は、皆さんによる発表が中心となります。ボードレール、ランボー、マラルメなどいくつかの詩人を選び、詩人一人につき学生数名でグループを組み、詩の分析と解釈を披露していただきます。また、卒論を準備している4年生には、夏休み明けに中間報告をしていただく予定です。

 なお私は、皆さんの人格と自主性を最大限に尊重して指導にあたるというのが信条です。そのため、このゼミでは一人一人が責任をもって、主体的に活動することが求められます。授業内の課題にせよ、卒論・卒研の執筆にせよ、「教員にすべてお膳立てしてもらいたい」と考える方にはこのゼミは不向きですので、注意してください。自らの頭で思考する意欲をもち、「教員や他のゼミ生と一緒になって新しいことを勉強してみよう」という考えのできる方を心から歓迎します。

 

主な指導分野:

 最も得意とするのはフランス近代詩ですが、19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランス文学・思想・文化(美術関連を除く)にかんするテーマであれば、概ね指導可能です。また、日仏交流の歴史や、フランス文学が日本文学に与えた影響といった、比較文学・比較文化にかんするテーマも受け入れます。

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